ICTの積極的な活用を支援します


★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★

一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第50号)
    http://www.ictm-p.jp/
                          2018/2/21


★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★

 
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【目 次】
 
1.巻頭コラム『建設産業のデジタル化「i-Construction土工」について』

    日本マルチメディア・イクイップメント株式会社 代表取締役

    ICT経営パートナーズ協会 理事

                             高田守康

2.特集記事 『これからの競争力は、あなたの“妄想力”にかかっている』

               (株)インプレス DIGITAL X(デジタルクロス)編集長

                            志度 昌宏
3.ニュース・お知らせ
 ・協会、分科会の活動報告
  ・協会関連セミナー、その他ニュース
 ・協会会員のセミナー、製品紹介、その他ニュース

 

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆


【巻頭コラム】『建設産業のデジタル化「i-Construction土工」について』

    日本マルチメディア・イクイップメント株式会社 代表取締役

    ICT経営パートナーズ協会 理事

                             高田守康


  建設産業は、Industry 4.0が喧伝される製造業、Fintechでにぎやかな金
 融業などと比べて、ICT化やそもそものデジタル化が遅れているといわれて
 きました。
 さらに建設産業では、少子高齢化の影響が顕著に現れ、特に3K(きつい、危
 険、きたない)の代表と言われる建設現場の担い手不足が深刻な問題となっ
 ています。

 そこで国土交通省と業界団体では、
 (1)一人ひとりの生産性を向上させて、企業の経営環境を改善し、
 (2)建設現場に携わる人々の賃金水準の向上を図るなど、魅力ある建設現
    場へ変えて、
 (3)建設現場での死亡事故ゼロを実現して、
 (4)3Kから 新3K(給与、休暇、希望)を目指す、という取り組みを行っ
    ています。

 建設産業の中でも資材のプレファブ化など工業化が進めやすい建築工事は、
 設計や施工の各段階でBIM(Building Information Modeling)の導入が進行
 しています。

 BIMを積極的に推進してきたAutodesk社によると、「BIMはコンピューター上
 に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報な
 どの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から
 維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションであり、
 また、それにより変化する建築の新しいワークフローです。」としています。
 
 その一方で、土砂の切り盛りや生コンやアスファルト合材の場所打ちが多い
 土木工事は、資材の工業化や施工の自動化は限定的でした。(地下トンネル
 のシールド工法などはご存じでしょうが、土木工事全体からみると、ごく一
 部の工種です。)

 土木分野でも建築のBIMに倣ってCIM(Construction Information Modeling/
 Management)を定義して、土木事業のライフサイクル全体を見通した情報マ
 ネジメントと、3次元モデルを活用した情報の見える化に取り組み始めてい
 ます。

 しかしCIMは土木事業全般を対象としたため、対象工種が多岐にわたり、適
 応範囲もライフサイクル全般という気宇壮大な取り組みとなり、簡単に取り
 組めるものではなくなってしまいました。
 
 そこで2015年11月、石井啓一国土交通大臣は、ICTの全面的な活用等の施策
 を建設現場に導入することで、建設生産システム全体の生産性向上を図り、
 魅力ある建設現場を実現(して若手入職者の獲得)する「i-Construction
 (アイ・コンストラクション)」の導入を発表しました。

 例えばNATMやシールド工法に代表されるトンネル工事は、約50年間で生産性
 を最大10倍に向上させてきましたが、発注量が膨大な「土工」や「コンク
 リート工」は、生産性向上の遅れた部分が多く残っているため、そこでの生
 産性の50%向上を狙うものです。

 発表された「i-Construction」は、大きな導入効果が期待される
 (1)ICT技術の全面的な活用(土工)、
 (2)規格の標準化(コンクリート工)、
 (3)施工時期の平準化
  の3点に絞り込んで、対象工事の具体的な発注量も公表することとしまし
  た。
  http://www.mlit.go.jp/common/001113551.pdf
 
 国土交通省は、2016年度から「i-Construction」導入にあたり基準の改定や
 新基準の導入、積算基準の見直しを進め、実際に2016年度にICT対象工事
 1080件を公表し、さらに全国の建設業界に向けて390箇所で20,000人を対象
 に説明会を実施しました。
  http://www.mlit.go.jp/common/001174968.pdf

 「i-Construction土工」の急速な展開に呼応して、当社は職業訓練法人全国
 建設産業教育訓練協会富士教育訓練センターと連携して国土交通省の補助金
 を獲得して、具体的な教育訓練プログラムの開発を行いました。

 この「ICT土工研修(5泊6日)」教育訓練プログラムは、国土交通省の説明
 会だけでは習得できない、「i-Construction土工」の具体的な実行手順を実
 習で体験して習得する内容です。

 「i-Construction土工」とは、従来からの現場経験を基盤とした「アナログ
 施工」から、測量から施工までの全工程を3次元データを基に進行する「デ
 ジタル施工」に変わりました。「ICT土工研修(5泊6日)」は、
 (1)UAV等による3次元データ起工測量、
 (2)3次元CADによるデータ作成、
 (3)ICT建機による3次元施工、
 (4)3次元データによる出来形管理、
 (5)3次元データによる電子納品について、
 各テーマに1日を費やし計6日のカリキュラムとなっています。

 おかげさまでこの「ICT土工研修」はご好評を頂き、群馬県から茨城県、そ
 の他地域に向けて展開中となっています。さらに当社では、映像を活用した
「ValueCIM」やIOT活用した「大深度地下計測センサー」の開発、建設リカレ
 ント教育に係る「技能映像のアーカイブ構築」など、建設産業に関する各種
 の技術開発に取り組んでおりますので、建設産業についてご不明の点は何な
 りと御相談下さい。

                                以上

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆


【特集記事】『これからの競争力は、あなたの“妄想力”にかかっている』

       (株)インプレス DIGITAL X(デジタルクロス)編集長

                            志度 昌宏

  IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、あるいはデジタルトラス
 フォーメーション(デジタル変革、DX)といったIT関連用語が、IT系メディ
 アだけでなく、ビジネス誌や一般紙の誌面をも賑わせている。

 その論調は、これらの「デジタル化に取り組まなければ企業の未来はない」
 という、相変わらずの“脅迫型”である。さらに最近は「働き方改革」をお
 題目に、モバイルを活用し在宅やコワーキングスペースで働かなければビジ
 ネスパーソンにあらずといったメッセージも少なくない。

  昨今はマーケティング戦略が徹底しているだけに、これらのメッセージに
 は辟易されている方も少なくないだろう。あるいは「ITがここまで普及する
 前から働いており成長を遂げてきた。『ITを活用しなければダメ』とも言わ
 れ続けてきたが、そんな経験は一度もない」という意見の方もおられるはず
 だ。

  だが、残念ながら、今回のIoTやAIに象徴される「デジタル化」は、これま
 でのIT利活用と同じ次元でとらえていると本当に将来を見誤ることになりそ
 うだ。

  その理由は大きく2つある。1つは、少子高齢化を背景にした人手不足の顕
 在化だ。宅配便の値上げ、飲食店の24時間営業や年始営業の中止など、人手
 不足が最終的なサービスにまで影響し始めた。

 製造業や建設業などでも状況は同じ。これまでなら何とか乗り越えられてき
 た課題も、従来と同じ方法・考え方では対応の限界を迎えている。

  ICTは常に、こうした課題に対し、自動化を推奨し省力化を訴えてきたのだ
 が、人海戦術のほうがコストは安く、品質も高いとなっては、採用するほう
 が不思議だったともいえる。

 残念ながら、ほとんどが海外ベンダー発のICTは、日本企業にとって常に“黒
 船”だった。だが、今いまの状況を考えれば、黒船来襲以前に日本という国
 が“内部崩壊”し始めている。デジタル化なしに、こうした内情の解決策を
 考えるほうが難しいのが現状だろう。

  もう1つの理由は、中国をはじめとする、かつての発展途上国の急速な成長
 により、テクノロジーの利用方法や範囲が一変していることがある。レガ
 シーなシステムがない彼らは、最新テクノロジーをテコに成長を加速させて
 いる。スマートフォンを前提にした各種のサービスは、従来なら取得不可能
 だった、消費者のライフログ(行動記録)の取得を可能にし、そのビッグ
 データが新たなサービスの想像につながっている。

  たとえば中国では、ECサイトでの購買履歴に基づいて借り入れができたり、
 ソーシャルメディアでの“友達”とのつながり具合に応じて個人の信用度が
 ランク付けされたりしている。従来なら“人脈”と言われていた尺度に相当
 するものが、ネット上に創造されているわけだ。

  しかも、こうした考え方が、昨今のインバウンド需要への期待を背景に、
 日本社会への導入が広がっている。かつてなら、海外発のサービスに対して
 は“おもてなし”の度合いが違うとして日本では普及しなかったのも事実だ
 が、上述したような人手不足によって“おもてなし”以前になった今、そう
 したサービスが日本にも広がっていくことは想像に難くない。むしろ、面倒
 なことを嫌うようになった現代では、より受け入れられる可能もある。

  「なんだ、結局は“脅迫論”ではないか」と言われる向きもあるだろう。
 だが、デジタル化に取り組むべき理由が、もう1つある。それは、テクノロ
 ジーは今、民主化が進行しており「どう作るか」よりも「何を作るか」さら
 には「何を解決したいか」が重要になっていることだ。既存の仕組みをICTを
 使って効率化を図る時代は終わり、これまでできなかったこと、やりたかっ
 たことに挑戦する時代を迎えているのだ。

  そこでは、想像力、あるいは妄想力とも言えるような「テクノロジーを使
 えば、こんなことができるのではないか」という発想こそが意味を持つ。

  かつて、筆者がまだ駆け出しの頃、当協会・会長の関さんに「ブロードバ
 ンドとは何か」という取材をしたことがある。他の取材では「マルチメディ
 アが扱える」「処理のリアルタイム化が進む」といった答えが多い中、関さ
 んだけは「工場の煙突からはき出される煙を撮影し、そこから工場を熟練工
 並に制御すること」と答えられた。

  当時のテクノロジーや利用者のニーズからいえば、まさに“妄想”に近い
 かもしれないが、昨今の機械学習やディープラーニングの活用事例をみれば、
 いかに画像を認識し、そこから有益な情報を抽出し、それを現場に返すかが
 当たり前になっている。煙から工場の制御も、全くの夢物語ではなくなった。
 この間、米IBMや米Googleといった企業がAIの研究を地道に続けてきたのに対
 し、日本企業は今や取り返しがつかないほどの出遅れ感に包まれている。こ
 の責任の一端は、利用者側のニーズを顕在化する力、すなわち妄想力不足に
 ある。

  妄想の例でいえば、最近の3D(3次元)プリンターの活用例をみても、日本
 ではまだ試作品の代替によるコスト削減やリードタイム削減といった段階だ
 が、海外では既に、3Dプリンターの部品を3Dプリンターで制作するという“
 自己増殖型”の取り組みが始まっている。米MITには、3Dプリンターの射出成
 型から発送し、数千匹の蚕がはき出す糸をコントロールし作品を作り上げる
 という教授までがいる。

  これら海外の先行事例や、空飛ぶ車を作るベンチャー企業、自動航行する
 船舶を開発する企業など、その発端はいずれも「こうしたい」という“妄想
 ”に起因するはずだ。IoTやAIなどテクノロジーが今、それらを総称して「デ
 ジタル」と呼ばれるように、個々のテクノジー自体には大きな意味はなくな
 り、デジタルとして誰もが開発/利用できるだけの工夫が進んでいる。

 繰り返すが「どんなテクノロジーを何に使うか」ではなく「何を実現する
 ためにデジタルの力を使うのか」が問われている。そして、その「何を実現
 するか」考える責任は、ITベンダーではなく、デジタルを利用する側にある。
 もう「コンピューターは難しいからITベンダーやIT担当者にお任せ」は通用
 しない。

                                                                         以上

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆


【ニュース・お知らせ】  


●IoT DAY 2018
      ~デジタルトランスフォーメーションの実現へ~

         主催:(株)日本システムウエア(NSW)

 NSWがIoTプラットフォーム「Toami」の提供を始めて5年、IoT(M2M) DAYも今
 年で5回目を迎えました。

 今回は大きな注目を集める「デジタルトランスフォーメション」をテーマに、
 デジタルビジネスへの取り組みの最前線をお届けします。

 ご多忙中とは存じますが、お繰り合わせの上、ご参加下さいますようお願い
 申し上げます。
 (すぐに埋まる可能性が有りますので、お早めに申し込みください)

 ■開催要項

 【日時】:2018年3月15日(木)
      ・セミナー 13:00~17:50
           ・展示   12:00~18:30 (展示会/受付開始 12:00)

 【会場】:赤坂インターシティコンファレンス
         〒107-0052 東京都 港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 4F

 【費用】:無料(事前登録制)

 【定員】:400名

申し込みはこちらから
https://nsw.smktg.jp/public/seminar/view/345


●経営イノベーション分科会(平成29年度第5回)

 【テーマ】:支援活動と課題整理
       支援活動を行う際に重要となるのは、顕在的課題を確認すると
       ともに、潜在的課題を発見し、課題間の因果関係を整理して的
       確な対応策を導きだすことです。

 【日時 】:平成30年2月26日(月)
 【会場 】:関東ITソフトウエア健康保険組合 
           大久保保健保会館 地下C会議室
   
 【時間 】:15時~17時
 【懇親会】:17時~19時(桜華楼)

 この件についてのお問い合わせは、栗原までお願いいたします。
  MAL kurihara@accs5.co.jp
  TEL 03-3796-4377


●オフコンサポート切れ対策セミナー 【緊急開催】(2月23日、3月16日)
    
     共催:こまくさネットサービス株式会社
        日本マルチメディア・イクイップメント株式会社


 中堅・中小企業の情報システムを支えてきたオフコン(オフィスコンピュー
 タ)が終焉の時期を迎えようとしています。

 しかし、オフコンに代わる安くて使い勝手の良い情報システムが見当たりま
 せん。ベンダはERPパッケージや業務パッケージの利用を薦めますが、オ
 フコン時代に比べて何倍もの導入費用がかかってしまうことがよくあります。
 しかも痒いところに手が届いていたオフコン時代とは異なり、使いにくくな
 るのが普通です。

 本セミナーではオフコンユーザのために、超高速開発ツール(Sapiens)を
 用いたプロトタイプ移行のメリットをご紹介いたします。超高速開発ツール
 を使うとオフコンと同じようなアプローチで簡単かつ費用をかけずに個別シ
 ステムを開発することができます。そのため、オフコンサポート切れ問題の
 救世主としてコスト意識の高い企業での活用が進んでいます。

【日時】:2018年2月23日(金)13:30~17:00 (開場 13:00)
     2018年3月16日(金)13:30~17:00 (開場 13:00)

 ・詳細、申し込みは下記をご覧ください。
    http://komakusanet.com/seminar/


●ITMSセミナー のご案内

 当セミナーでは、AIの基本的な理解を進めるために、いくつかの利用シーン
 を合わせて紹介させていただき、自然言語の解析を利用したチャットボット
 についてくご紹介します。

 【講演 】:「中小企業における集客・販売を促進するAIチャットボットの
        活用事例」
               株式会社哲英  代表取締役 矢野 英治

 【日時 】:2018年3月13日(火)
       18:30~20:30(18:00受付開始)
 【会場 】:JR水道橋「貸会議室内海」2F教室(本館 東京学院ビル)
          http://www.kaigishitsu.co.jp/access/
 【受講料】:2,500円
       お申込み受付後、事前振込み口座をご案内いたします。
       なお当日会場でのお支払いは3,000 円とさせていただきます。

 ・詳細およびお申込み:
     http://www.itms.or.jp/topics/20180313.html


 
 ・実践力ポイント:ITコーディネータ資格者には資格更新条件に関する運
          用ガイドラインに準じ、
          ITC実践力ポイント1.0ポイント
          (ITCA届出団体主催セミナー;2時間1ポイント相当、
          上限なし)分を付与します。

 ・問合先:ITマネジメント・サポート協同組合事務局 藤田 秀一
      TEL:03-6868-5254 携帯:080-3080-9223
      もし不在の場合には携帯番号にご連絡下さい。
      メール:itms@erp.jp

 ・申込方法:次のいずれかの方法でお申込下さい。

   e-mailでお申込:当メールの返信で下記をご記入の上お申し込み下さい。
   ・お名前:
   ・会社名:
   ・連絡先電話番号:
   ITコーデイネータ資格保持者である旨もご記入ください。
      また下記の後援団体に所属されている場合には、その旨もご記入くだ 
    さい。

    当組合のHPからお申込:
  http://www.itms.or.jp/topics/20180313.html

  ・後援
    特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会
   東京都中小企業団体中央会
   一般社団法人ICT経営パートナーズ協会(ICTMp)
   一般社団法人クラウドサービス推進機構(CSPA)
   ITCA届出団体ITCイースト東京    

 以上ご案内申し上げます。    

========================================
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見・ご質問等は事務局info@ictm-p.jpまでよろしくお願い致します。

なお、メルマガのバックナンバーは協会HP http://www.ictm-p.jp/
にてご覧いただく事ができます。

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

発行元 

 発行:一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会
 編集:赤松 元
 MAIL:info@ictm-p.jp(事務局)
 URL :http://www.ictm-p.jp/



法人会員

連携団体