ICTの積極的な活用を支援します

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一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第112号)

    http://www.ictm-p.jp/

                          2023/04/19

 

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【目 次】

 

1.巻頭コラム 『ビジネスマンにとっての英語学習の意味』

 

             ICT経営パートナーズ協会理事

 

                       小林 寛三

 

2.ニュース・お知らせ: 今号は有りません

 

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【巻頭コラム】

 

       『ビジネスマンにとっての英語学習の意味』

 

                  ICT経営パートナーズ協会理事

 

                            小林 寛三

 

 

1.英語講師の機会

今般、品川区のシルバー大学にて英語講師を務めることになった。商社での海外経験

などが評価されたと思われるが、英語に興味のあるシニア対象とは言え、さまざまな

レベルの受講者を対象に、興味を持てる内容で、かつ駐在や滞在した経験のある話題

を中心に、「誰でもできる英会話の旅と交渉」というテーマの講義を計画した。

このために100ページを超す教材を自作する過程で、これはビジネス場面でも役立つ

面が多いことに気づいた。ビジネスも、想定外のことが起こり得るし、その時々の場

面で意思決定し、相手とコミュニケーションして、双方に満足の行く解決を求めてい

るというプロセスは、”旅と交渉”というテーマと共通だからである。

 

2.英語活用の世界の拡大

英語は、米国・英語・豪州・カナダなどの言葉であるだけでなく、EUやアジア、中東、

東欧、ロシア、アフリカ、中南米などでも多用される国際語でもあり、むしろ第二

外国語として利用する人口の方が遥かに多いほどである。特に、インターネットの拡

大によって、さまざまな専門分野の用語が、まず英語で発信され、定着化する傾向が

加速している。

 

3.英語情報流通の拡大

最近のコロナ感染や政治・軍事情報、環境問題、エネルギー問題など世界的な課題で

の情報流通が拡大しており、英語による情報発信は、質・量とも他言語を圧倒してお

り、それらフォローしないと状況判断が適確に進まない。英語専門チャネルの存在し

ない日本の遅れは、海外各国では、あたり前の状況になっている状況と比較すると

彼我の違いは際立っている。放送大学ですら、(一部の英語講座を除けば)英語によ

る専門的な講義がほとんど行われていない。

 

4.コーパス(Corpus)による辞書の発展

最近のAIの発展によるコーパス(Corpus)を利用した辞書の進展は、加速している。語

学の権威に多く依存してきた文献収集が、最近では、活きた言語活用の実態を示すこ

とができるようになってきた。その成果の一つは、和英辞典の進化である。従来は、

和英辞典は、単なる日本語の逆引き機能でしかなく、ほとんど役立たなかったが、最

近では、日本語と英語の表現の対比から日本人が表現する場合の留意点まで驚きの連

続であり、読み物としても深化してきている。[おすすめは、2007初版発行の三省堂

のウィズダム和英辞典である。この辞書の巻末には、80ページに亘って英語基本文型

と例文が記載されていて、基本単語の用法がまとまっている。]

 

5.交渉のための英語

今回の講義のテーマは、”旅と交渉”とした。旅にはさまざまな発見があるとともに

交渉しなければならない局面がでてくる。ビジネスは、信用獲得とリスク最小化のた

めにも、その時々の場面での交渉は重要になってくる。[オレオレ詐欺は、国内の問

題ではなく、国際的には、もっと精緻でレベルの高いオレオレ詐欺によく遭遇する。

いわばクールさを失わない交渉力が試される場面でもある。] 商談には、納期(Delive

ry), 価格(Price), 支払条件(Payment)の3要素をまずConfirmすることから始まる。

[これをCDPPと称した]これは、詐欺やトラブルを避ける意味でも重要である。また交

渉のためのコミュニケーションとして、有名な’PRAMの原則’がある。交渉する前に

、何をゴールとするかのPlanning。相手の信用などRelationship の確認。

そしてGive & Takeによる相手とのAgreementの確認。もし合意できない場合でも、今

後の展開に備えた相手とのMaintenance of Relationshipの確認である。

 

6.未知との遭遇

今回の英語講義で、”どのように新しい単語を覚えたらよいか?”という想定質問に

対する回答を用意した。これはビジネスでの初対面の交渉の場面と同じであると回答

しようと思う。即ち、(未知の)対象を数秒間見つめてイメージを掴む。どのような場

面・役割の中で相手が登場してきているのか、既知単語との相違や比較、また再開の

頻度、第一印象(スペルなど外見的特徴、登場場面となった源 (語源・出身)、相手の

主張する場面とインパクトなど、未知の交渉相手と未知の単語に遭遇する場合はよく

似ている。[相手の表現方法によっては、相手の立場・権限・出身地・交渉相手とし

ての癖などわかる場合もある。同時にこちらの状況も相手にわかってしまう。] ビジ

ネス上の面談も、未知の単語も、結局、相互に”個人情報”を露出することで、相手

の認識の範疇に飛び込むことになる。

 

7.英語による情報発信の効用

ある発想が浮かんだら、これを英語でどう表現するのかを考えることは、時間はかか

るものの、別視点から内容を吟味する上で有効である。英語表現では、(やはり外国

語なので)微妙で曖昧な表現が難しくなる反面、直截的、具体的、論理的な文章の方

がむしろ表現しやすくなる。まず論点を明確にした上での、結論を先に述べるという

英語表現法もビジネスの進め方と同じである。その理由・根拠を具体的、なるべく定

量的に、Because 1), 2), 3)でつなげて論証する。さらにその結論が展開され、新た

な視点の広がり、今後の課題にも言及する。実際に英語で発表しない場面であっても、

そのキーとなる概念だけでも、英語的な発想で思考して準備しておくことは意味が

ある。その情報発信の続編を作成する必要がでてきた時も、概念の整理をバイリンガ

ル的に行うことによって、その後の展開に役立つ。

 

8.情報のアーカイブ化

さらに情報は新たな展開に応じて、修正・追加され、検証、再利用することが重要で

ある。このためにも、作成日や作成意図をつけた文章の記録を、デジタル情報として

作者のライブラリとしてアーカイブしておくことが重要である。いわば未来の自分に

対して情報を準備・提供しておくのである。デジタル化した情報は、検索が容易で、

いつでも参照・編集でき、ゼロから考えてもの書きするより遥かに効率的である。こ

れは、ビジネスでは、CRM (Customer Relationship Management)そのものである。交

渉を通じて得られた顧客の情報は、CRMを通じて蓄積され、関係が評価され、強調あ

るいは無視され、次のビジネスの展開に影響を与えていくのである。

 

9.ICT経営パートナーズ協会(ICTM-P)のロゴ

それには、関隆明前会長の時代から、Intelligent, Cooperative, Transborder, Mana

gementがサブタイトルになっており、ICTを通じた協業の追求とグローバル化は、ICT

経験の重要な要素であるとの認識が一貫していた。今回のシニア大学での英語講師と

いう経験も、英会話の旅と交渉という気軽なテーマを掲げつつも、実はICTM-Pのロゴ

に表現してあるような、グローバル化時代の日本のあり方、旅でもビジネスでも遭遇

するさまざまな場面での情報判断と協力関係の維持、そしてリスク多き時代でも元気

さを保ち、前向きで多様な選択肢や解決策につながるような講義にしたいと考えてい

る。

                                    以上

 

 

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