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一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第116号)
http://www.ictm-p.jp/
2023/08/16
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【目 次】
1.巻頭コラム
『インドの勢いが止まらない! インドIT人材活用という私たちの選択肢』
ICT経営パートナーズ協会 会員
株式会社Global Runway 代表取締役
株式会社ワープ・スタイル 代表取締役
高山 基一
2.ニュース・お知らせ
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【巻頭コラム】
『インドの勢いが止まらない! インドIT人材活用という私たちの選択肢』
ICT経営パートナーズ協会 会員
株式会社Global Runway 代表取締役
株式会社ワープ・スタイル 代表取締役
高山 基一
今年も大変暑い夏となりました。お盆のこの時期、皆様におかれましてはいかがお過
ごしでしょうか?
さて、古来より日本人の生活に深く根付いているこの「お盆」ですが、その用語の誕
生を紐解くと、古代サンスクリット語の「ウランバナ」に起源を求めることができる
そうです。ウランバナとは "逆さまに釣り下げられる" ことを示す言葉であり、そこ
から転じてそのような苦しみにあっている人を救う法要を意味する言葉になったそう
です。仏教発祥の地インドからこの言葉が伝わった中国では「盂蘭盆会(うらぼんえ
)」と音読され、さらに伝承先の日本においては、日本古来の祖霊信仰と仏教が融合
し、「お盆」という言葉で定着したと言われています。
そんな悠久の昔より私たち日本人とも遠からぬ縁を持つインド。そのインドの国の勢
い、プレゼンスの高まりにいま世界からの注目が集まっています。
人口で中国を追い抜き、その高い経済的発展性、地政学的重要性、またグローバルサ
ウスのリーダー国としての地位の高まり等々、近年インド関連のニュースや報道は枚
挙にいとまがありません。
まさに、名実ともの大国化に向け、勢いの止まらないインド。
一方で、情報通信技術(ICT)の分野においてもインドは世界的な注目を集めていま
す。インドはかねてより多くのIT技術者を輩出することで耳目を集めていましたが、
今やグローバル規模でのITビジネスの中核を担うIT大国の地位を確かなものとし、さ
らに進化・発展しつつあります。マイクロソフト、IBM、Google/アルファベット、Ado
be 等々、そうそうたる世界的なIT企業が次々とインド出身者を経営トップとして迎
え入れている事実を知るにつけ、私たちの驚きは増すばかりです。
インドは、中・長期的なIT分野での積極的な投資と政府の支援により急速に成長を遂
げています。インドのITについて、現状と未来に向けた期待のトピックとして次のよ
うに要約することができるでしょう。
【現状】
・ITアウトソーシングのリーダー:高い技術力と人材の豊富さにより世界的なITアウ
トソーシングの拠点となっており、多くのグローバル企業がソフトウェア開発やバッ
クオフィス業務をインドの企業に委託している
・ユーザー数の急増:急速な人口増加とスマートフォンの普及により、インド国内の
インターネットユーザー数は急激に増加。これにより、オンラインサービスやデジタ
ルプラットフォームへの需要とビジネスチャンスの機運が急速に高まっている
・デジタルペイメントの成長:デジタル決済の普及により国内でのキャッシュレス社
会への移行が急速に進行している
【近未来へ向けた動き】
・スタートアップエコシステムの拡大:政府の支援や投資家の興味が高まる中、多く
のテクノロジースタートアップが生まれる環境の整備が進んでいる
・通信環境の整備・向上:5Gの整備・向上に伴い、スマートシティ、教育、IoT、
ヘルスケアなどの分野で新たなサービスやアプリケーションの可能性が広がる
・AIとデータ解析の活用:人工知能とデータ解析技術の発展により、医療診断、農業、
交通管理など、様々な業界で効率化や予測能力の向上を目的としたAIの活用が進む
ご承知の通り、日本では長きにわたりIT技術者の不足が叫ばれています。他方で、彼
の地インドでは、年間数十万人規模の新卒のIT分野の技術者を輩出し続けています。
量的な魅力はもちろん、そのハングリー精神やコミュニケーション能力といった面で
も評価を得ています。
多くの若いインド人にとって、IT技術者は人気の職業です。これは過去に経産省が実
施した国際調査でも浮き彫りになっており、例えばインドの若者の84.8%がIT産業へ
の就職に興味を示す一方、日本では34.2%と世界の主要国の中においても低い肯定率
となっています。多くの日本の若者にとって、ITの仕事はあまり魅力的な仕事ではな
いように映っている様子がうかがえます。
IT関連の職を目指すインドの学生は教育機関で高い専門知識を身に着け、そして社会
に出て行きます。工科系の一流大学で優れた成績を残した学生の多くは海外に就労の
場を求める傾向にあります。インドの技術者のアドバンテージの一つとして、英語能
力を有していることが上げられます。多言語国家インドにあって、英語は共通のコミ
ュニケーション言語としての役割を担っており、ビジネスの場や高等教育の現場では
日常的に用いられます。このコミュニケーションに関するグローバルな素養は彼らの
強みであり、自身の活躍の場を米国や欧州に求め、そして旅立って行きます。
一方で、IT関連の職を目指す志望者が多い反面現状インド国内での採用の器はバラン
スを欠いた規模にとどまり、毎年就職にあぶれる卒業者も多く生じています。
また近年は、就業先として日本に興味を示すIT技術者も増える傾向があります。イン
ドは長く親日国であり、さらに経済交流や文化・カルチャーといったものがその入口
の一つとなっています。実際、日本国内には既に数多くのインド高度人材が就労して
おり、公的調査等においても、採用側の高い満足度、低い離職率等の実態が明示され
ています。
今後も増大する開発関連業務には、ローコード/ノーコードを主軸に開発業務の更な
る効率化の推進が期待されますが、一方で引き続き人的リソースの増強の必要性も高
い状況が続くと考えられます。日本人技術者の確保が難しくなる現状において、海外
のリソースの活用の重要性がますます増して行くものと思われます。その際、インド
は恐らく一つの重要な選択肢になりえる素養を有していると考えます。
海外人員の参画については、職場環境の整備が重要となりますが、例えばオンライン
でのリモートワークを将来的な雇用確保に向けての入口としてうまく活用していくよ
うなこともその敷居を下げるために一考の価値があるかもしれません。くしくも新型
コロナウィルスの影響によりオンラインでの業務対応が定常化した現在において、時
流に即した取り組みやすい形であるとも考えます。そして、これはまさにICTの活用
を具現化したビジネスの取組みであろうとも思います。
これまで見て来たとおり、日本とインドでは、ITの現場を支える人的な要因やそのボ
リュームに大きな違いがあります。それは、2国間の補完関係をうまく構築すること
により、Win-Winの強力なスキームを実現できる大きな可能性を秘めている、という
言い方もできるのかもしれません。
一方で過去からの経験等に照らし、それは決して容易な道のりでないとのお考えをお
持ちの方々も多くいらっしゃるかもしれません。
現在は、IT技術やツール、様々な手法の発展のあと押しを得て、環境面の整備は容易
になりつつあります。円熟した社会にあってIT化社会の実現に向けて課題を抱える日
本、成長著しくそして多くのIT技術者を要するインド。この2国のタッグによる連携
は、とても優れたモデルになり得る素養と可能性を秘めているように思われます。み
なさまのご意見はいかがでしょうか?
末尾となりますが、最後に簡単なご案内とさせて頂きますことご容赦ください。
弊社 株式会社Global Runway では、法人様に向けたインド関連のビジネスの支援業
務を行っています。インド人技術者のご紹介、オフショア開発・運用、インドへの事
業進出等にご興味をお持ちでしたら、雑談レベルの情報交換でも構いませんので、是
非弊社にお声かけいただけますと幸いです。
弊社ホームページ: https://www.global-runway.com/
お問い合わせ先(メール): info@global-runway.com
以上
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