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会長の視点1・当協会を設立した理由や狙い

  • 本日は、2011年11月17日当協会を設立した理由や狙いについて述べてみたいと思います。

 

  • 私自身、メインフレーマーのSEとしてユーザの個別システムの開発を皮切りに、管理者・経営者として、今まで日本に置ける個別開発の問題に数多くぶつかって来ました。開発した情報システムが「顧客 (エンドユーザ)や経営トップの要求を満たしていない」とか、「付加価値型システムになっていない」などの批判を受けたことも数多くありました。あなたもこのような経験をお持ちかも知れません。原因はいろいろあることは良くご存知しょう。
  • 私は、その中でも顧客要求とシステム開発の起点なる要件定義 (Request For Proposal, RFP)との不一致が大きな原因の一つだと思っています。昨年まで私が関係していたITコーディネータ協会が提供しているプロセスガイドラインは、IT経営化の起点を「経営戦略」としており、続いて「IT戦略策定」「IT資源調達」「IT導入」「ITサービス活用」の5プロセスから成っています。この戦略をしっかりベースにし、ITを真に活かす為にどのような活用方法があるか追求し、RFPを明確にし、IT調達につないでいく考え方は、上記のような問題を解決する為には大変優れたプロセスだと思っています。
  • さらにこれらのプロセスをしっかり実践していく上で極めて有効な方法として、例えば、BABOKBPM (Business Process Management)という方法論があります。これらの一つ一つが深い専門性を持っており、それを本業とする専門家がいます。彼らは経営のあり方や業務プロセスを望ましい方向へ導いてくれます。これら専門家の支援を得るか、顧客自身がその結果をRFPにまとめ、その実現に最適なITベンダを選定し、具体的な情報システムの調達へとつないでいきます。
  • 従来日本では、IT調達の仕方として、圧倒的に個別開発が主流でしたが、近年アジャイル開発方法やSaaS・クラウドの発達により、IT利活用のパラダイムシフトが起こってきていることは皆様ご存知の通りです。顧客から見たら、IT調達方法が格段に多様化し、自らの背丈に合った方法の選択が非常にやり易くなってきました。しかし、多様化すればするほど、専門家でない顧客にとっては、自分のニーズに最適な方法やツールを選ぶということは至難なことになってきます。
  • 例えば、クラウドを活用しようとした場合も、どこに自分に適したデータセンタ (DC)業務パッケージがあるのか探すのは大変なことです。このように各種の方法やツール、多数のDCや業務パッケージが生まれてくる程、要求する側と供給する側とのマッチングは大変厄介なことになってきます。
  • また、ICT化以前の経営指導の分野では、中小企業診断士、税理士、会計士および各種コンサルタントが多数、顧客の支援や指導をしています。にもかかわらず、情報の成功率は、わずか20数%で、他は失敗ないし破棄となっているという結果が各種調査で報告されています。せっかく多額の資金を投入して開発したシステムが、ガラパゴス化し、世界に通用しない。そして日本のIT技術や利活用法も、相対的に世界に遅れを見せ始めていると言われています。
  • ICT利活用による経営革新を目指す人達は、自らの専門性を一段と磨きつつ、他の専門家との連携をダイナミックに図りながら、真に顧客企業の経営力強化に直結するICT化を強力に推し進めていくことが喫緊の課題だと思っています。このような観点に立って、多くの同志と検討している内に、ITコーディネータ、SE、さらに税理士、会計士、中小企業診断士や各テーマ毎のコンサルタントがパートナーとしてダイナミックな連携が出来るような仕組みを作る必要があるとの結論に達し、この度、当協会を設立するに至った訳であります

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