★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★ 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第40号)     http://www.ictm-p.jp/                           2017/4/19 ★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 【目 次】 1.会長コラム『2017年度重点活動について』 2.特集記事 『データモデリングとバッチ処理』 株式会社インテリジェント・モデル                  代表取締役 小林佳文 3.ニュース・お知らせ  ・協会、分科会の活動報告 ・協会関連セミナー、その他ニュース ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【会長コラム】『2017年度重点活動について』             一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会                       会長 関 隆明  2017年度はこの2〜3年に矢継ぎ早に打ち出された、国の多くの政策の 実効が上がるよう、自らなすべきことを着実に実行し、将来の方向を見定める べき重要な年度だと思っています。 政府は2001年のe―Japan戦略以来の電子行政の方針を大きく転換し、利用 者中心の行政サービス実現へと比重を移しました。 ますます重要度をますマイナンバー制度の実施は、何としても成功させなけれ ばなりません。そして成長戦略として「攻めのIT経営の実践」、「第4次産業 革命への本格的取り組み」、そして更に「働き方改革」が新しく打ち出されま した。 現業をこなすだけでも厳しい人手不足に見舞われている企業は、これら多くの 政策で示される目標値や期待される成果をどのように実現して行くべきか、頭 を悩ましているのがひしひしと伝わってきます。 このような多くの政策を限られたリソースで効率良く実行して行く為には、単 に目標を示すだけではなく「どのように実現して行くか?」の方策が極めて重 要になってきます。特に当初から実行の障害や制約条件になると予想され、一 企業では如何ともし難いものは、国や自治体と遂行促進の為に設立された団体 や組織とが連携し、それをスピーデイ且つ迫力をもって除去したり解決して行 くことが必須だと思います。 今までになく多くの政策を同時並行的に実施して行かなければならない今年度 は、この裁きの重要性が、ますます高まって来るのではないかと予想します。 このような難しい状況下にあって、当協会としては各企業から中立的な立場に あることを大いに生かし、本来企業側がなすべきことを明確にし、企業の枠を 乗り越えたオープンイノベーション体制で、その遂行を支援して行かねばな らないと考えています。 今年度は従来続けて来ている重要な支援活動は当然継続し、急速に多様化する 支援要求に対応できるよう、自らのイノベーションを進めながら、新しい政策 遂行の為に次の如き活動を強化して行きたいと考えて居ります。 (1)「経営情報プラットフォーム構築法」を活用した効率的な支援活動の実     施と人材育成     このコラムで過去に何度か述べたように、経営イノベーションから     ビジネスモデルの創造、ビジネスプロセスの設計からITシステム構     築・運用に至るまでの一連の支援に有効な、優れたメソッドやツール     を相互に連携させ、効率よく活用出来るように今まで体系化して来て     います。     これを用いることにより、自己流の支援はなく、誰にでも分かる、見     える化された支援が出来るようになり、ベテラン専門家を引き継ぐ若     手の人材育成にも極めて有効なものになると考えています。 (2) 生産性の向上・働き方改革実践支援     今まで続けて来ている「攻めのIT経営」の実現始め各種のIT化自体が、     働き方改革に直結すると考えています。今年度からさらに一見単純に     思える仕事でも、長時間労働の原因となっているものの改善にも着目     したいと思っています。     例えば非定形業務の定量的分析の出来る方法を用いた、ホワイトカ     ラーの仕事改革やEC/EDIや先月の当コラムで述べたBtoBプラットフ     ォームの如きシステムを活用した企業間の「つなぎ」の効率化などの     支援にも力を入れて行きたいと思っています。     更に人間の代わりに多量の単純作業を効率よく行うRPA(Robotic     Process Automation)の活用なども積極的に追求して行きたいと     考えています。 (3) 中堅・中小IT企業のビジネス改革支援     今までソフトの受託開発やオペレ−ションの受託が事業の中心だった     中堅・中小IT企業に対し、業務知識の向上や超高速開発ツールの活用     力強化を行い、DevOpsによる、より付加価値の高いビジネスへの転換     が可能になるよう支援して行きます。     この結果が良ければ、より多くの同類のIT企業への展開を図り、業界     全体の多重下請け構造からの脱却に協力して行きたいと考えています。 (4) IoT、AI活用ビジネスへの挑戦     昨年度IoTビジネス実践企業十数社と互いのシステム事例の紹介とIoT     ビジネスの展開方法について検討して来ました。今年度はこれら事例     の応用が可能な物件支援と、参加ベンダーが提供している、IoTシス     テムのアプリケーション開発用の自動プログラミングツールを用いて、     「IoTスモールスタート型」プロジェクトをオープンプロジェクト体     制で実行してみたいと思っています。     さらにAIの活用力のある企業とタイアップし、AI活用プロジェクトに     も挑戦して行きたいと考えています。 (5) 多くの専門家や企業が協力したオープンイノベーション型支援の実施     及び後継人材の育成の為のセンターを設立したいと考えています。     上記(1)の体系化されたメソッドやツール始め、当協会に属するあ     らゆる専門家の知識やノウハウを活用して、多様化する顧客の支援要     求に対応しやすい体制を確立したいと思っています。もちろん当協会     だけではなく、当協会には無い力を持つ外部団体や企業との連携を積     極的に図って行きたいと考えています。                                  以上 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【特集記事】『データモデリングとバッチ処理』               株式会社インテリジェント・モデル                  代表取締役 小林佳文 1.はじめに  データモデリングと言いますと、一般的には、リアル系のシステム(エント リ系システム)におけるテーブル設計として、その重要度は認知されています が、実は、バッチ処理においても、生産性や品質の向上にとって大きな要素と なっています。今回は、一般的には余り述べられていないデータモデリングと バッチ処理の関係についてのポイントの一部をご紹介したいと思います。 2.正規化について  既にご承知の通り、一般的なデータモデルの考え方として、最も重要なこと は、データの重複を排除することです。これは、同じデータがあちこちにあれ ば、そのデータを更新するには多数の更新操作が発生し、全体として生産性、 品質、処理効率が低下するためです。いわゆる1データ1プレイスの考え方で す。 そこで、次に、データの重複をどう排除すればよいかですが、まず、情報をグ ルーピングするため、意味のある実体(店、顧客、取引等)を見出し、その実 体(テーブル)毎にその属性(データ項目)を配置すれば、データ項目の重複 は発生しないことになります。これが、基本的な正規化の考え方です。 また、データ項目自体も、類似のデータ項目が繰り返されている場合は、抽象 化して、分類属性としてのデータ項目と一般のデータ項目の組合せで構成すれ ば、データ項目が抽象化され少なくなります。 例えば、「小企業取引金額」、「中企業取引金額」、「大企業取引金額」とい う3つデータ項目は、「企業規模コード」、「取引金額」という2つのデータ 項目にすることが可能です。 このように、データ項目を抽象化すると、スキーマの安定の実現だけでなく、 実は、大幅な生産性向上に繋がります。先に述べた複数の箇所を更新しなくて 済むというのも一つの例ですが、データ項目の削減によって処理記述が減少す るからです。 つまり、データモデリングは、データ項目の明確化によって生産性や品質を高 めるだけではなく、データ項目の抽象化による処理操作の削減によっても生産 性や品質に大きく寄与します。 3.最適なバッチ処理の処理フローとは何か  主に夜間バッチ処理の処理フロー等では、どういう処理フロー設計が最適で あるかという事について、一般的には余り述べられておりません。結論から言 えば、実体(エンティティ)ごとの処理フローを構成してしまえば、処理機能 は重複せず、また中間ファイルの保有データも重複せず、さらには保守する場 所も極小化して、理想的な処理フローを実現することができます。 これは、なぜかと言いますと、データが重複しないと上記2で述べたメリット が享受できますし、固有の操作は実体ごとに発生するため、そうした操作を一 か所で行う事ができるからです。  そのため、例えば、処理フローの構成は、A業務の「顧客」処理フロー、B 業務の「顧客」処理フローという分け方では無く、一つの「顧客」処理フロー から、A業務やB業務の顧客の目的別データを作成することがポイントです。 もう少し全体の構成を考えると、処理フローは、例えば、処理サイクル(日次、 月次、期次)単位、管理単位(店、顧客、取引等)、商品単位ごと等の組合せ によって構成されることが良い処理フロー構成となります。 業務別の処理フローの構成にしてしまうと、それぞれの顧客データで、同じよ うな操作を行う必要がありますので、類似処理の重複が起こり、似たような処 理記述をあちこちに記述することになります。実は、原始的な関数は別にして、 業務ロジックの関数やサブルーチンを作成することは本来良い事ではありませ ん。データモデリングがなされれば、似たような操作は必要ないからです。 4.分類属性とコード値間(カテゴリ間)の階層関係について  例えば、商品コードに於いて、商品1、商品2、商品3、商品4、商品5が ある場合に、{商品1、商品2、商品3}を総称して「A型商品」としたり、 {商品3、商品4}を総称して「B型商品」とする場合があります。 こうしたカテゴリの階層関係は、多い場合には、一つの分類属性で数十存在す るケースがあり、さらに分類属性自体が数百ある場合もありますので、開発者 は膨大な数のカテゴリ間の階層関係を管理し操作(処理記述)する必要に迫ら れます。 こうした場合、一般的には、この階層関係のコードテーブルを設計し、それぞ れに小区分、中区分、大区分等のデータ項目を設計すると、分類属性が200 個あれば200個のコードテーブルと、コードテーブルごとの複数のデータ項 目を発生させることになります。こうしたコードテーブルを実テーブルとして 存在させるのは妥当ではありません。 こうしたカテゴリ間の知識構造は、オントロジー工学における重要な知識構造 の一つであり、リポジトリにメタデータとして管理すべきです。一方で、「A 型商品」の取引金額の値等は、実テーブル上に存在しますが、この時のデータ 項目を、「A型商品」カテゴリは「商品小分類」、「B型商品」カテゴリは 「商品中分類」という様に別々のデータ項目を設計するのではなく、例えば 「管理商品コード」といった分類属性を設計し、その配下に全てカテゴリとし て包含すれば、データ項目の多くが必要なくなります。コードテーブルを無く し、必要なデータ項目を最小限にすることが可能になります。 5.データモデルとバッチ処理設計について  上記で述べてきたデータモデリングを実施すると、データ項目が減り従来よ り多くのレコードにデータが配置されることになります。こうしたことから、 処理は、よりレコード間の演算を行う方向に増えてきます。1レコード内の演 算より、レコード間の演算を開発する方が難易度は高いですが、逆に、抽象化 したアルゴリズムを実現し易くなり、より汎用的なロジックを組む事ができま す。 また、上記4で述べたようなカテゴリ階層関係の知識が与えられることによっ て処理できる高度な汎用ロジックを内包すれば、各処理で利用できる汎用的な 処理が実現し非常に高い生産性を上げることができます。結局、データ項目が 増えれば、そのデータ項目を操作記述する要素が増えてくることになります。 一定の改善策はあるものの、少ないデータ項目と汎用化されたアルゴリズムに 比べれば、生産性は大幅に相違してきます。 6.超高速開発ツールへの期待と進化  以上、データモデリングとバッチ処理について、そのポイントの一部につい て述べてきましたが、抽象化され汎用的なアルゴリズムを構築するには、高い 技術力も必要になって来ます。そこで、超高速開発ツールが、そのあたりを担 ってくれることが期待される姿です。 ユーザーは、超高速開発ツールに内包された高度な技術を利用する事によって、 短期間に、高い生産性と高品質を維持し、コスト削減を実現する事ができます。 超高速開発ツールは、従来の一つ処理の開発が、従来より短時間に開発できる ことを示すことは元より、データモデリングによって情報や知識が整理された 場合、さらに飛躍的な生産性向上を実現できる機能が必要です。 実際に、メタデータ間の知識構造を扱う高度な汎用ロジックを内包し、AIに おけるレベル2の自動化が実現されているケースもあります。そして、今後は、 そうしたレベルに留まらす、さらに高度な自動化が望まれており、実際にも、 超高速開発ツールは発展し進化し続けていると考えられます。                                 以上 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【ニュース・お知らせ】 ●「ソフトウェア&アプリ開発展で講演します」 東京ビッグサイトにて開催されるJAPAN IT Weekソフトウェア&アプリ開発展 の特別講演にて(5月12日(金)10:00-11:30) 超高速開発コミュニティが発表します。 「超高速開発が及ぼす業界・技術者への影響」 樋山証一 「超高速開発時代の新しいSIビジネス」    贄 良則 事前の申し込みが必要です。 →http://www.sodec.jp/Technical-Conference/ ぜひ、ご都合つきましたらご参加ください。 ●ICT経営パートナーズ協会主催セミナーご案内」               ITコーディネータ協会後援 『独立系コンサルタント向け ビッグデータ活用演習セミナー』         (優良顧客から顧問契約を獲得するパターンを修得)  ・料 金: 無料  ・対 象: 中小企業診断士、ITC、及び 士業の方々等独立系コンサルタントの方々。  ・日 程:2017 年 5月24日 水曜日 14:00〜16:00  ・会 場:中央区日本橋公会堂 3号洋室  ・定 員:35名   詳細と申し込みはこちらからお願いします。      http://www.dream-biz.jp/cloud/seminar2016Jun.html 【セミナー概要】  起業後の営業成果の悩みを解消、ビッグデータ解析を利用して、顧客に価値  ある情報を提供しながら、契約を獲得する手法を解説。 経営陣とのアポ取  り、ファースト契約、顧問契約へと導く手順をパターン化しました。実証成  果を含めて解説します。  実験として、この手法を用いて解析スキルが全くない人間が1カ月に3件の  顧客を訪問し、2件の年間契 約(200万円/件)を受注しました。その後に  顧問契約、プロジェクト案件に導く手法を合せて解説します。 『ビッグデータアナリスト養成講座』 ・料 金: 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