★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★ 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第25号)      http://www.ictm-p.jp/          2016/1/20 ★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 【目 次】 1.会長コラム『 年頭所感 』 2.特集記事 『 COBIT5のITガバナンスの特徴 』                   (有) 情報戦略モデル研究所            代表 井上 正和 3.ニュース・お知らせ  ・協会、分科会の活動報告 ・協会関連セミナー、その他ニュース 4.理事・会員からのお知らせ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【会長コラム】『 年頭所感 』 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会                       会長 関 隆明  明けましておめでとうございます。 皆さまに於かれましては新たな希望と抱負を抱いて、新年をお迎えのことと お慶び申し上げます。 昨年はアベノミックス「第1の矢」の金融緩和と「第2の矢」の機動的な財政 政策が景気対策として良い成果を挙げ、国民にデフレからの脱却、日本経済再 生の希望を持たせてくれた年でした。然し「第3の矢」の成長戦略は十分な成 果が上がらず、日本経済の潜在成長力は上がっていないのが実情だと思います。 第1、第2の矢が短期間で成果が出やすいのに対し、政府による規制の改革や 産業構造を変える為の環境を整えること、そして各企業の改革活動が活発に行 われて後、初めて成果が現れて来る「第3の矢」は短期的には成果の出し難い 戦略であるのは言うまでもありません。政府、企業を問わず、それぞれの分野 の人達が、単にスローガンや目標を掲げ、べき論を唱えるだけではなく、当事 者意識を持って、なすべき内容と実現策をしっかり練り、忍耐強く活動を展開 しなければ、良い結果は得られないと思います。 当協会は現在強く求められている、「攻めのIT経営」実現の為に何をなすべき かを追求して来ました。従来から指摘されている、「経営に役立っている情報 システムが少ない」、「多量のリソースをつぎ込みながら、失敗プロジェクト が多発する」、「経営環境変化に即応出来ず、ライフサイクルが短い」などの 原因を突き詰め、その解決策を追求して来ました。 その結果、根底にある大きな問題は、ユーザー企業のシステム開発に対するイ ニシャテイブの欠如と他国に比べはるかに多いウオーターフォール型のスクラ ッチ開発の非効率性にあると判断しました。ユーザー企業のトップの意向とビ ジネス遂行部門の要求をしっかりシステム開発に繋ぎ、付加価値の低いプログ ラム製造の仕事を排除し、浮いたSEをより付加価値の高い上流工程の仕事に向 ける為の方策を検討して来ました。 その結果このコラムでも紹介したように、イノベーションの実践、ビジネスモ デルやその遂行に必要な業務設計からシステム開発・運用に至るまで、一連の 実用性のあるメソッド・ツールの連携を図ることが出来ました。特に超高速開 発コミュニテイと共に活用促進を図って来た超高速開発の各種ツールは客観的 評価も上がり、SIベンダーはもちろん、ユーザー企業でその活用を真剣に検討 する所が増え、成果を上げた事例も急速に多くなって来たように感じています。 いよいよ日本経済が踊り場から脱却すべき重要な年がスタートしました。 「旧第3の矢」に代わって打ち出された「新第3の矢」の実行に全力を尽くさ なければならない年です。特にその中の2020年の名目600兆円の実現に 最も影響する「生産性革命」の成否は、国の運命を左右すると思います。 昨年末日本生産性本部がまとめた「日本の生産性の動向」によりますと 2014年の日本の労働生産性はOECD加盟34か国中21位、主要先進国7か 国中では最下位と報告されています。その原因は「規制の多さ」と「IT利活用 レベルの低さ」で、業種別では米国の5割程度というサービス業の生産性の低 さだと報告されています。このような状況でありながら設備投資全体に占める IT投資の割合は、米国、英国が45%に対し、日本は20%に過ぎず、JISAの 調査ではSE、プログラマーの人数は50数万人と2005年以降伸びていない と報告されています。 今年はIT社会の基盤となるマイナンバー制度が、先ずは税と社会保障を対象に 始まり、今後その対象を広げて行くことになります。本番までのリードタイム を意識したシステムの変更や追加、新システムの開発が続くと予想されます。 また2020年の東京五輪の為の情報インフラの開発も本格化して来ます。現 在既に顕著になって来ているSE不足への対応も急がなければなりません。当協 会としては昨年整備したメソッド/ツールを駆使し、それらの開発の効率アッ プの徹底を継続的に図って行きたいと思います。 さらに重視すべきは今世界を席巻し始めている第4次産業革命への対応です。 「新第3の矢」の中でも、IoTやAIなどの先進技術の活用による生産革命への 挑戦を強く促しています。既に世界では「インダストリ4.0」を掲げるドイ ツと「インダストリアルインターネット」を掲げる米国とが各種規格の世界標 準化でデッドヒートを演じて居り、中国、インドなどもそれらの先進国の動き に遅れまいと国を挙げて取り組み出して居ります。 周回後れだと言われていた我が国も、昨年「ロボット革命イニシャテイブ協議 会」、「インダストリアル・バリューチェイン・イニシャチブ」、「IoT推進 コンソーシアム」などが発足し、これから本格的な活動に入る段階にまで来ま した。これらの団体を国としてうまく連携させ、日本の強味を大いに生かしな がら、ドイツ、米国をキャッチアップし、急速に追い上げて来る中国、インド などに後れを取らないよう、国を挙げて取り組んで行かなければならない状況 下にあります。そしてその成否が日本の将来を決すると言っても過言ではない と思います。 この様に今年は日本にとって大転換期であり、ITを積極的に活用し、新しい価 値を切り開いていく革新力が問われる年だと思います。当協会としては飽くま でも顧客の立場に立ち、今迄整備してきたメソッドやツールを駆使して、現業 務の遂行に必須なシステムの更新や作り直しから、長期に亘る盛り沢山の「攻 めのIT化」のテーマに至るまで、その緩急順序をしっかり踏まえ、着実に成果 を積み重ねて行くことが大切だと思っています。 そしてパラレルにIoT促進の団体にも参加し、新しい技術の習得や、新しいビ ジネスモデルの発掘などにも努めて行きたいと思っています。その為には尖っ た最新技術を持つベンチャー企業や自らの専門の枠に捉われず、新しい技術の 活用に積極的に挑戦して行く若手の専門家との連携や協業に力を入れて行かな ければと思っています。 さらに自らやれることにのみに捉われることなく、それぞれの分野に長けた専 門家やベンダーとユーザーとを結びつけるハブ機能の役割も積極的に果たして 行きたいと思っています。 今年も何卒皆様の御指導、御支援並びに新しい試みへの連携や協業をよろしく お願い致します。 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【特集記事】 『 COBIT5のITガバナンスの特徴 』          (有) 情報戦略モデル研究所            代表 井上 正和  2013年にITガバナンスのデファクトであるCOBIT5の日本語版が発表されてか ら、足掛け3年になります。 ISACAのCOBIT5はCOBIT4.0までと内容、構成ともに大きく改訂されました。 弊社でCOBIT5の研修実施や出版本を発行する中で気づいた重要な特徴をご紹介 しようと思います。 ◆事業体のITガバナンスフレームワークを作るための原則が設定されました。 日本人ならちょっと驚きますが、欧米のISOなどを含めた標準には原則という のはあまり見かけません。COBIT5でも初めて使用されました。 COBIT5では「事業体のITガバナンス」という用語が基本になってます。ITガバ ナンスは事業体の収益をもたらすものであるべきという考え方です。ITCには 何をいまさらの官がありますが、そのためのフレームワーク作りの5つの原則 を設定しているのです。そのなかで、最も重要な原則は「ガバナンスとマネジ メントの分離」の原則です。 ITガバナンスを全社で取り組む経営事項であると位置づけ、経営者と実務者が 一体となった活動のフレームを提供しました。経営者が行うITガバナンスフ レームワークの「評価」、「方向付け」、「モニタリング」と実務者が行う 「計画」、「構築」、「実行」、「モニタリング」です。ITC PGLでのIT経営 プロセスモデルでいう「IT経営認識プロセス」と「IT経営実践プロセス」の関 係と良く構造が似てます。 ◆ITガバナンスフレームワークの導入プロセスが定義されました。 ITガバナンスフレームワークをGEIT (Governance of Enterprise IT)と言 うのですが、エンタープライズシステムに対する構築の7つのステップと実施 タスクの定義をしています。この手順通りにステップを踏んでいくことで、IT ガバナンスをスパイラルアップしていく事業の仕組みを作るということです。 ◆ISO/IEC15504のプロセス成熟度が採用されました。 COBIT独自で持っていた成熟度をISO基準に置き換えましたので、IT部門のプロ セス成熟度はISOに統一したということです。成熟度は従来通り5段階ですが、 レベル3と5が特徴的です。 レベル1:実施されたプロセス(成果物が生み出せるプロセス) レベル2:管理されたプロセス       (文書化のもとに目標値管理制御されたプロセス) レベル3:確立されたプロセス       (ソフトエンジニアリングに基づく管理されたプロセス)  ソフトエンジニアリングとは、ソフトウェアの作成・利用という人間の知的  活動の中から、普遍的と呼ぶことができる法則や原理を見出し、具体的に体  系化された技法ですから、ITIL、COBIT、PMBOKなどが適用されていることを  前提にしています。グローバル化と標準化が基本になってますが、標準化は  商品のコモディティー化の課題もありそうです。 レベル4:予測可能なプロセス(KPIにより量的に管理されたプロセス) レベル5:最適化しているプロセス(動的に変更可能なプロセス)  環境変化に対応して動的に対応できるということは、変化対応の仮設プロセ スが定義されて いることを意味します。 COBIT5はITガバナンスに関わるあらゆる標準やフレームを取り込み、上位整 合性を執ることを原則で明言しました。そのため、広範囲にわたった理解しづ らい資料になっていますが、多くの企業がトライしています。 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【ニュース・お知らせ】 ●中小企業庁のHPに平成27年度補正予算事業「ものづくり・商業・サービス  新展開支援補助金」の事前予告がが掲載され、公募要件(現時点のもの、変  更される可能性あり)がダウンロードできます。 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2016/160108mono.htm 従来の補助金に加えて、IoTに言及した項目が追加されています。 「上記(1)の革新的なサービス開発・試作品開発・プロセス改善であって、 IoT等を用いた設備投資を行い生産性を向上させ、「投資利益率」5%を達成す る計画であること。」 本件に関連しまして、当協会の理事の本間峰一が東商ICTスクエアに下記の お役立ちコラムを投稿しました。 あわせてご覧いただければと存じます。 http://www.tokyo-cci-ict.com/column/2016-02-2/ −…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…− ●超高速開発分科会と連携しています「超高速開発コミュニティ」のイベント  情報です。 ★第15回セミナー ユーザー事例発表 「開発からテストまでの工程をツール連携で超高速に実現!」 【日時】 平成28年1月27日(水)14:00-17:00 (受付13:30) 【会場】 エッサム神田ホール1号館201        (http://www.essam.co.jp/hall/access/) 【内容】  ・ 太平電業株式会社様によるWeb Performer事例発表    〜「社員工事経歴管理システム」運用開始までの軌跡と                  社内開発標準ツールへの第一歩 〜  ・ ディーコープ株式会社様によるSTAR-Lite事例発表    〜 システムバージョンアップ時の「テスト自動化ツール」活用 〜  ◎詳細のご確認、お申込はこちらからどうぞ     https://www.x-rad.jp/ ★第16回セミナー ユーザー事例発表 【日時】 平成28年2月25日(木)午後 【会場】 エッサム神田ホール1号館 ◎詳細は1月28日以降 WEBに掲載いたします。 −…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…−…− ●共催・後援セミナーのお知らせ ★『ビッグデータ研修』のご案内  ITコーディネータ協会主催【残席僅少】  ライバルに勝つ〜 攻めの経営とイノベーションの原動力   (今日からできるビッグデータ活用) 大量の情報をゴミにしてしまうか、価値ある宝の山にするかは企業だけでなく 個人にとっても運命の分かれ道となります。年々加速し続ける情報洪水時代に 必須のスキルをたったの3時間で身につけてライバルに差をつけませんか? 大学院でも好評な最新鋭の講義内容を入門編として気軽に受講できる最後のチ ャンスです!ぜひこの機会にご受講ください! 開催日:2016年1月27日(水) 時 間:13時30分〜16時30分(3時間) 会 場:文京グリーンコート センターオフィス 17F D会議室 https://wwu.itc.or.jp/fmi/xsl/seminar_guide_n/seminar_p03.xsl?ID=240 ★『超高速開発ツール研修』のご案内  ITコーディネータ協会主催  超高速開発ツールの選定と適用の考慮点  〜お客様へ適切なツールを提案するために〜 大手企業でも導入がはじまり注目を浴びだした超高速開発ツール。リポジトリ を持つソフトウェア開発ツールで構築した基幹業務システムは、長期に亘りビ ジネス環境の変化に迅速に対応でき、その本質的な理由をご理解いただけると 同時に、数ある超高速開発ツールの中から、自社あるいは顧客企業(行政組織 や自治体を含む)に適用可能なツールの選定基準と候補について学べるコース です。 開催日:2016年2月3日(水) 時 間:13時30分〜16時30分(3時間) 会 場:文京グリーンコート センターオフィス9F ITコーディネータ協会 https://wwu.itc.or.jp/fmi/xsl/seminar_guide_n/seminar_p03.xsl?ID=241 ★情報システムに革命を起こせ! 〜源流・超上流からの進め方と開発・保守ツールへの連携および自動生成〜 【日時】 2016年1月25日(月) 13:30〜17:30 【場所】  JBCC(蒲田事業所)セミナールーム 【受講料】  無料 【セミナー内容】 主催 JBCC株式会社 共催 パワードプロセスコンサルティング株式会社、 株式会社プロセスデザインエンジニアリング 後援 ICT経営パートナーズ協会、バリューチェーンプロセス協議会 1.「源流・超上流におけるメソドロジーGUTSY-4の有効性」 2.XupperIIを利用した超上流・上流工程の変革 3.GUTSY-4の成果物をXupperIIに搭載した源流・超上流・上流デモ 4.XupperIIと連携したGeneXusによる下流工程の変革 5.Metasonic Suiteでプロセス統合するBPMソリューション これによって、ビジネスアナリシス(源流・超上流)を経て、戦略を反映した BPM(意思決定プロセス、定型プロセス)と超上流、そして超高速開発 (下流)へと、スムーズにつながることになります。 詳細⇒ http://process-design-eng.com/contents/2016125.html ★SM04経営改革セミナー第4回(無料)のご紹介  当セミナーは、情報戦略モデル研究所で研修を担当している講師が時流及び  現在注目されている経営革新テーマを取り上げ、その背景および課題解決の  キーポイントを提供するものです。 各講師が担当するテーマは1時間でそ  の重要ポイントを解説します。選択してご参加ください。  (注)第4回のセミナーは第1回と同内容です。好評でしたので再度実施いた    します。 【日時】平成28年2月24日(水)13:40−16:45(受付開始:13:15) 【開催場所】公会堂教室 (中央区立日本橋公会堂)    アクセス: http://www.nihonbasikokaido.com/shisetsu#access 【セミナー構成】  ・ドラッカーのいう7つのイノベーションの機会」       講師 井上正和  ・「現場からイノベーションを起こすための情報の利用方法」       講師 木村礼壮 ICT経営パートナーズ協会 運営会員  ・「経営者に評価される情報システムを構築するには」       講師 本間峰一 ICT経営パートナーズ協会理事 【受講料】  無料 ◎詳細、申込みは下記まで   http://www.ism-research.com/course/point-seminar/ms01.html ================================================================= ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 ご意見・ご質問等は事務局info@ictm-p.jpまでよろしくお願い致します。 なお、メルマガのバックナンバーは協会HP http://www.ictm-p.jp/ にてご覧いただく事ができます。 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 発行元  発行:一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会  編集:大村 邦夫  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