★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★ 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第28号)      http://www.ictm-p.jp/          2016/4/20 ★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★…★ ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ 【目 次】 1.会長コラム『 新年度スタートに当たって 』 2.特集記事 『 守りのT活用と攻めのIT活用、 2つのアプローチ方法の違いは何か 』          一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会  理事 (株)プロセスデザインエンジニアリング 代表取締役    渡辺 和宣 3.ニュース・お知らせ  ・協会、分科会の活動報告 ・協会関連セミナー、その他ニュース ◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆ ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【会長コラム】『 新年度スタートに当たって 』 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会                       会長 関 隆明 今年創立5周年を迎えた当協会は、過去4年間、主に中堅・中小企業を対象に、 ITを積極的に活用し、真に企業力強化に直結するIT経営の実現支援に力を入れ て来ました。その活動を通してつくづく感じたことは、今尚多くの企業が余り にもITの有効性を過小評価し、「業務効率化とコスト削減」型のIT化の発想に 留まっていると言うことです。 IT投資を未来を切り開く先行投資と考える企業の比率が米国などと比べて、圧 倒的に低いと言うことです。その原因は情報システムの構築に当たって、旧来 の「ウオータフォール型スクラッチ開発」への拘りが強く、人手によるプログ ラミングの必要性から、結果に於いて「費用増」、「要員不足」の状態に陥り、 「攻めのIT経営」の検討も儘ならないと言う状態に陥ってしまって居る為と言 わざるを得ません。 そこで当協会では、従来から何度も述べて来たように、「超高速開発ツール」 の有効活用により、経営的には低付加価値のプログラミングを大幅に削減し、 浮いたリソースを上流の高付加価値作業に向けて行くことを推進して来ました。 さらに、従来システム開発に参加していなかった業務遂行部門の人達にも、超 高速開発ツールに馴染んでもらい、持てる豊富な業務知識を活用し、システム に対する要求定義づくりや出来たシステムの評価に参加してもらうことを働き かけて来ました。 そして各部門の人達が連携して作業を進められるよう、経営のイノベーション の創出、ビジネスアナリシス、BPMやビジネスプロセスのビジブル化など、上 流工程作業に有効な優れたメソッドやツール間の連携を図り、その活用促進に も力を入れて来ました。 本来私達は企業力強化の為に、ユーザー企業と共に、どんなビジネスを遂行し ていくべきかの「What」の追求にもっと力を入れて行くべきなのですが、それ 以前に、それが出来るようにする為の環境改善に役立つ「How to」の整備と 普及にウエイトが掛っていたように思っています。 いよいよ本年度からはそれら有効なメソッドやツールの活用を、ユーザー企業 にもより積極的に働き掛けながら、共に本来の「What」の追求に一段と力を入 れて行けるようにしなければならないと考えています。 ドイツの経営学者ヘルマン・ジモン氏は  ・世界シェア3位以内に入るが、名前の知られていない「隠れたチャンピ   オン」中小企業が、ドイツでは1,300社もあるのに、経済規模が    1、5倍の日本には220社しかない。その差は技術力ではなく、 グローバル経済での存在感である。 ・国がグローバル競争で勝つには、強い中小企業が必要である。その為には 大企業の下請けになるのではなく、自ら販路を世界に広げ、顧客と向き合 うことが必要である。 と述べています。 経済産業省の2016年版中小企業白書案の中でも  ・厳しい経済環境下でも稼いでいる企業は、ITを活用して業務の見直しや   経営戦略の策定をしっかり進めて居り、IT化を促す社員教育にも熱心で   ある。  ・輸出や投資など海外展開に取り組む企業の約2割が経営の好循環を実現し、   内需に頼る企業よりも労働生産性が高い。 と報告されています。 企業の大小問わず、グローバル化とIT化が企業発展の決め手になっているとの 指摘です。当協会としてはこれらの指摘を念頭に置いて、「攻めのIT経営」実 現の支援に力を入れて行くべきだと考えています。 そしてさらにIoTやAIなどの新技術が企業のジネスを一変させて行くであろう と言われている現在、この動きを注意ビ深く先取りしながら、自らの支援活動 として何をなすべきかをしっかり見定めて行くことが、極めて重要になって来 ていると思っています。 アクセンチュア社の調査によると、IoTが企業の競争環境に与える影響につい て  1)競合企業がビジネスモデルを大きく変化させると考えている企業の比率    が、海外企業では68%なのに対し、日本企業は16%  2)市場環境を一変させる製品・サービスが出て来ると考えている企業の 比率が、海外企業では62%なのに対し、日本企業は16% と報告されています。 日本企業の経営者は市場を一変させるような事業機会や脅威に気付いていない 可能性があるとも言われています。このような認識の差が、世界の新しい動き への対応で、日本が何時も周回遅れになってしまう原因になっているのではな いかと危惧しています。 当協会としては各種業界のビジネスを一変させてしまうほどの影響をもたらす と言われているIoTの凄さを見誤ること無く、今年度から自ら果たすべき役割 をしっかり見極め、その為の支援内容や方法の検討に力を入れて行かなければ ならないと思っています。 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【特集記事】 『 守りのIT活用と攻めのIT活用、                 2つのアプローチ方法の違いは何か 』           一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会  理事 (株)プロセスデザインエンジニアリング 代表取締役    渡辺 和宣 弊社で開発したビジネスアナリシス方法論GUTSY-4では、ビジネスモデル、 ビジネスプロセスモデル、IT要求モデル、ITモデルを階層的に整合させること で、「攻めのIT」を実現しています。  ⇒冒頭図 http://process-design-eng.com/contents/itit-1.html ここでは、「攻めのIT活用」とは、売上増加につながるIT投資だと定義します。 一方、今までの「守りのIT活用」では、コスト削減を追求してきました。前者 はサプライチェーン業務、後者はマーケティングや製品開発のように、対象業 務領域が大きく異なります。  ⇒詳細 http://process-design-eng.com/contents/general/it-12.html 1.定型的プロセスにおける「守りのIT活用」への要求とITモデル 今まで、サプライチェーン業務などにおける構造化された定型的プロセスでは、 冒頭図の右端のようにプロセス・ルールの両方共定型化可能なため、大量の データ処理の効率化を目的とした「自動化」のためのIT要求が定義され、個別 開発、ERP等のパッケージ、あるいは自動生成ツールなどのITソリューション によって、ITモデルが構築されてきました。 この場合、ビジネスプロセス間のデータ連携による効率化のためにデータベー ス化して、ルールをITロジックとして組み込む必要があり、ERP導入のように 長期間と多額のIT投資が必要でした。 ビジネスプロセス  ⇒詳細 http://process-design-eng.com/contents/general/post-6.html ビジネスルール  ⇒詳細  http://process-design-eng.com/contents/general/post-24.htm l また、自動化による効率化の効果は一過性のものであり、それが毎年、継続し て向上することはありません。そして、「自動化」による効率化の余地がまだ、 沢山、存在している場合には、戦略からのビジネスモデルを実現するためのビ ジネスプロセスの設計のようにビジネスアナリシスは必ずしも必要ではなく、 現状のビジネスプロセスをただ分析すれば良かった訳です。 データと情報の違い  ⇒詳細  http://process-design-eng.com/contents/general/it-10.html 自動化と情報化の違い  ⇒詳細 http://process-design-eng.com/contents/general/it-3.html 2.非定型的プロセスにおける「攻めのIT活用」への要求とITモデル 冒頭図の左端や真ん中にあるような、プロセス・ルールのどちらかだけが定型 化可能な半構造化の意思決定プロセスでは、一時はDSSシステムが話題になり ましたが、今までは殆どIT活用が進んでいませんでした。したがって、戦略か らのビジネスモデルを実現するためのビジネスプロセスを設計しても、ITの恩 恵を受けることができませんでした。 しかし技術が発展した現在ならば、ビジネスプロセスの「見える化」による情 報の整流化への改善、そしてボトルネックとなっているプロセスを発見して、 これをピンポイントで改善できます。すなわち、効果的な判断のために曖昧で さえある情報を提供する「情報化」、または判断のうちロジック化できる一定 部分を「自動化」によってです。 この場合、情報化として新たなIT、たとえば非定型的BPMSやビッグデータのア ナリティクスなど、自動化としてプロセス管理BAMやルールエンジンなどのIT ソリューションを選定してITモデルを構築できます。 したがって、「見える化」などビジネスアナリシスのための期間と費用はかか りますが、IT投資全体では少なくて済みます。また、ITモデル構築は段階的に インクリメンタルに進められます。そして、情報化の効果は、事例Aのように 人とITが協働・共創する組織学習によって、継続的に毎年、売上が2倍、4倍、 6倍と向上していくのです。事例詳細⇒  http://process-design-eng.com/c ontents/casestudy/20130421konno-seisakusho.html  「攻めのIT活用」は、まずビジネスプロセスだけを記述・分析することで、 ボトルネックを見つけて、その有効な解決手段の一つとしてITによる情報化と 自動化を検討する訳です。人手を要しているプロセスや処理をヒアリングする ような従来の方法では、実現できません。昨年の米国BBCカンファレンスでは、 ビッグデータからアナリティクスによってビジネスルールを導出して、半構造 化の意思決定を自動化した事例がいくつか発表されています。これを紹介する セミナーも開催されます。⇒後続のセミナー紹介を参照 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 【ニュース・お知らせ】 ●ITコーディネータ協会にて、下記のeラーニングコースが提供されています。 ITコーディネータ以外の方も無料でご覧になれます。 (ITコーディネータ協会のサイトにユーザー登録が必要です) 「ICT経営パートナーズ協会の企画と業務系・情報系すべてのITCのための   〜業務アプリケーションの高速開発ツールご紹介」              http://www.itc.or.jp/foritc/seminar/uhd.html このコースは、ICT経営パートナーズ協会が企画し、賛同いただいた超高速開 発ツールベンダーの方々とともに、ITコーディネータ向けに開発したもので す。ITコーディネータの方々のみならず、アプリケーション・システムの保 守コストの高止まりにお困りの企業の方や、現行システムのマイグレーション をお考えの方にはお勧めのコースです。 ●超高速開発分科会が連携する 超高速開発コミュニティから講演会のご案内 です。 ※ご参加の方には、講師新著「SEは死滅する 技術者に未来はあるか編」をも れなく贈呈いたします。超高速開発コミュニティ会員限定となりますが、開催 前に会員となっていただければお申込できます。 【超高速開発コミュニティ 総会・講演会・交流会】 日時 平成28年4月21日(木) 会場 総会・講演会:TOC有明コンベンションホール EAST    交流会:ホテルサンルート有明 内容 第一部 記念講演    日経コンピュータ編集委員 木村岳史 様 会費 総会・講演会は無料です   (その後に開催される交流会は会費5千円となります) 詳細ご確認、お申込は下記サイトからお願いします。 https://www.x-rad.jp/ ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ ●共催・後援セミナーのお知らせ ■ビジネスアナリシス方法論「GUTSY-4 紹介」セミナー(4/25) ビジネスアナリシスのための国内唯一の一貫した方法論を紹介します。特長は、 適用分野に関する業務参照モデルを持つ(約900個のプロセス)、およびビジネ スアナリシスのノウハウを形式知化したプラクティスによるWBSや技法・ツー ル(約1,000個以上)を含む方法論です。 http://process-design-eng.com/contents/speech/gutsy-4-1020.html ■“攻めのITとバリューチェーン”セミナー(5/27) バリューチェーンプロセス協議会(VCPC)では、5/27(金)に“攻めのITとバリ ューチェーン”をテーマに、ITデジタル破壊に関する国内・海外の動向、イン タストリー4.0としての企業連携事例、そのための人間系BPMS、およびルール エンジンの事例やBRMSを紹介します。 http://vcpc.org/modules/eguide/event.php?eid=56 ================================================================= ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 ご意見・ご質問等は事務局info@ictm-p.jpまでよろしくお願い致します。 なお、メルマガのバックナンバーは協会HP http://www.ictm-p.jp/ にてご覧いただく事ができます。 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ 発行元  発行:一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会  編集:赤松 元  MAIL:info@ictm-p.jp(事務局)  URL :http://www.ictm-p.jp/ ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆ Copyright 2014-2016 ICTM Partners Association All Rights Reserved. ※本メールマガジンの記事について、無断転載はご遠慮ください。 ※メール転送は自由ですが、記事内容を一切、加筆・編集または抜粋せずに ご利用願います。 ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆